逆ペロブスカイト酸化物における初の超伝導体Sr3-xSnOの発見

ABO3の化学式で表されるペロブスカイト酸化物は、2種の金属イオンを持つ酸化物としては最もシンプルな構造を持ち、物質科学・地球科学などにおいて非常に重要な物質です。まさに酸化物の代表選手といっても過言ではありません。実はペロブスカイト酸化物には、イオンの価数の正負を逆転させた「兄弟」であるアンチペロブスカイト酸化物という物質群が存在します。このアンチペロブスカイト酸化物はB金属イオンの価数が負になっているなど、通常の酸化物とは異なった性質を持ち、トポロジカル物質である可能性も指摘されています。我々は、アンチペロブスカイト酸化物Sr3-xSnOを合成し、この物質が約5 K以下で超伝導を示すことを発見しました。これは、アンチペロブスカイト酸化物で見つかった初めての超伝導です。また、理論グループとの共同研究で、この物質がトポロジカル超伝導体である可能性を指摘しました。本成果はNature Communications誌に掲載されました。当研究室のD2のM. Oudah君、M2の池田君、M2(フンボルト大学からの交換留学生)J. N. Hausmann君が中心に実験をした仕事で、理論解析については京大の佐藤教授・名古屋大の小林助教らと共同研究をしました。(下図は当該のNature Communications論文より引用。)

2016年12月のTopics Sr3-xSnOの超伝導

論文情報

Mohamed Oudah, Atsutoshi Ikeda, Jan Niklas Hausmann, Shingo Yonezawa, Toshiyuki Fukumoto, Shingo Kobayashi, Masatoshi Sato, and Yoshiteru Maeno
Nat. Commun. 7 13617 Dec. 2016