Sr2RuO4の超伝導状態におけるスピン偏極

Sr2RuO4は超伝導状態のナイトシフトの測定などからスピン三重項超伝導体と考えられている物質です。 今回99Ru核と87Sr核のナイトシフトを精度上げて測定し、超伝導状態で僅かにスピン磁化率が増大する振舞いを見出しました。 この結果はスピン三重項超伝導固有の現象と考えられ、スピン三重項をさらに支持する結果として注目されています。

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本論文はPRB誌に掲載され、Editors' suggestionに選ばれました。

Sr2RuO4における99Ru, 87Sr NMRスペクトル
Sr2RuO4における99Ru核と87Sr核の様々な磁場におけるNMRスペクトル。赤(青)のスペクトルは超伝導転移温度以上(以下)のスペクトル。 超微細相互作用の大きなRuサイトでは1.04 Tと0.905 Tでは明らかに超伝導状態でスペクトルの幅の広がり、シフトが見られる。 ナイトシフトKとスピン帯磁率χは、超微細相互定数(Hhf)を使ってK = Hhfχと表される。 99RuサイトではHhfの符号が負であり、大きさも87SrのHhfに比べ2桁大きい。99Ruのスペクトルのマイナスへのシフトはスピン磁化率の増大を意味している。

論文情報

K. Ishida, M. Manago, H. Fukazawa, Z.Q.Mao, Y. Maeno, and K.Miyake
Phys. Rev. B 92 100502 Sep. 2015