Co核・La核-NMR測定で特定したLaCoGeにおけるSDW型磁気秩序

LaCoGeは空間反転対称性を持たない正方晶の結晶構造を持つ物質で、これまでに非磁性金属であると考えられてきました。今回我々は、Co核サイトにおける核磁気共鳴法(NMR)、核四重極共鳴法(NQR)により、約18 Kで反強磁性的な磁気秩序を示すことを初めて観測しました。さらに、Co核サイトのNMRスペクトルが、c軸方向に配向したパウダーパターンを持つこと、18 K 以下での内部磁場がガウス分布の形状を持つこと、更に、La核サイトで内部磁場が観測されないことから、(i)モーメントの方向はc軸であり、(ii)ab面内にチェッカーボード型に配列し、(iii)c軸方向にモーメントのサイズが長周期で分布している、珍しいスピン密度波(SDW)的な磁気構造を取ることを指摘しました。 これまでに知られているCo-3d電子系の磁気秩序の多くは強磁性でしたので、LaCoGeのSDW的な秩序は非常に珍しく興味深いです。また、空間反転対称性を持たない物質であることからも、更に面白い現象が見つかる可能性も期待できます。 この結果はJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されています。

2013年7月のTopics LaCoGeの図

図1:LaCoGeのCo核サイトのNMRスペクトルの温度依存(挿入図は20 Kと4.2 KでのNQRスペクトル)

2013年7月のTopics LaCoGeの図

図2:LaCoGeのSDW型磁気構造 (a) ab面内にチェッカーボード型 (b) c軸方向にモーメントサイズが長周期分布

論文情報

Kosuke Karube, Taisuke Hattori, Kenji Ishida, Nobuhiko Tamura, Kazuhiko Deguchi, Noriaki K. Sato
J. Phys. Soc. Jpn. 82 083712 Jul. 2013